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動物園での仕事

動物園は、「多くの人にいろいろな動物を観てもらう」所です。「」でくくった部分を3つに分けてみましょう。

 -1-「多くの人に」
 -2-「いろいろな動物を」
 -3-「観てもらう」

となります。この3つの事柄に獣医師は大きく関わることになります。では、動物園で獣医師が果たす注目してほしい3つの役割を紹介します。

(写真提供:長野市茶臼山動物園)


-1-「多くの人に」  〜人と動物の共通感染症の番人として〜

動物と人間が共通して罹る感染症があります。病原性大腸菌O-157やオウム病などが有名ですが、他にもいろいろと怖いものがあります。動物や動物園に訪れる「多くの人」がこのような病気になっては大変です。新しく動物園に仲間入りする動物や園内に入り込んでくる野生動物、(はたまた人間)と一緒に病原体が動物園入ってこないように監視しています。

鳥
鳥の人と動物の共通感染症は、しばしばマスコミに大きくとりあげられます。

寄生虫検査
新しく仲間入りする動物は、まず寄生虫の検査をします。糞の中の寄生虫の卵を顕微鏡で探します。写真は我々の愛機です。


-2-「いろいろな動物を」 〜まるでスナイパーのように〜

動物園にはいろいろな動物がいます。なかには非常に強力な動物もいます。このような動物を取り扱うときには、職員や動物が安全に事をすすめるようにしなければなりません。たとえば、ライオンを運ぶために輸送箱に入れるとしましょう。まさか、オリの中に入っていってライオンを抱き上げて箱にいれる・・・なんてことはできるわけありません。ライオンには眠っていてもらはなくてはなりません。麻酔の技術をつかうわけです。麻酔薬をうつには、写真のようなエアー式吹き矢とよばれる装置をよく使います。

トラ
トラの治療を行うには、麻酔で完全に眠らせなければなりません。

麻酔銃
エアー式吹き矢:空気圧で専用の注射器を飛ばします。注射器は、命中すると自動的に薬液が注射される仕掛けになっています。


-3-「観てもらう」 〜動物の病気を討つ〜

「観てもらう」ために、動物には本来の棲み処をはなれ人間の生活圏内に居てもらっています。動物園の動物もまた『お客様』だと言っていいでしょう。このお客様が健康でいてほしいと全ての人が願っています。動物のケガや病気の治療、予防を行っています。

ウサギの注射
傷が化膿したウサギに抗生物質の注射を行っているところ。

レッサーパンダ
レッサーパンダは、ジステンパーに非常に弱く、注意しなければなりません。犬用の予防注射を使うことができません。ジステンパーウィルスを生活環境から完全にシャットアウトする必要があります。